Claude Sonnet 5.5とは|料金・Sonnet 5との違い・使い分け

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📅 公開日: 2026年10月7日

Anthropicは2026年9月28日に、Claude 5.5ファミリーの2つ目のモデルとして「Claude Sonnet 5.5」を公開しました。結論から言うと、Sonnet 5.5は公式のモデルページで「速度と知能の組み合わせが最も良い」モデルと位置づけられ、料金はSonnet 5と同じ入力$2・出力$10(100万トークンあたり)のまま、Sonnet 5より30%以上速く、多くの作業で最大30%低いコストで動くと発表されています(Anthropic公式の発表ページ)。一方で、Sonnet 5向けに書いたコードがそのままでは動かなくなる変更も5つあり、「名前が上がっただけ」と考えて切り替えると、リクエストがエラーで返ってくる場面があります。

この記事では、Sonnet 5.5そのものの仕様、API料金とキャッシュ・バッチの条件、提供されているプラットフォーム、Sonnet 5から移行するときの変更点、Opus 5.5・Fable 5.1・Haiku 4.5との使い分けを、Anthropic公式ページの記載だけを根拠に整理します。料金の基本的な確認手順はSonnet 5のAPI料金の記事で扱っているため、ここではSonnet 5.5で変わった点と、Sonnet 5.5を選ぶときの判断材料に絞って進めます。

この記事の確認日は2026年10月6日です。モデルの仕様や料金は公式ページで更新されることがあるため、実際に導入するときは本文中の公式リンクで最新の表記を見直してください。なお、仮の例と書いた数字や場面は、読み方を示すために私たちが置いた計算例であり、公式が示した実測値ではありません。

目次

Claude Sonnet 5.5とは|2026年9月28日公開のモデルの位置づけ

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Claude Sonnet 5.5は、Anthropicが2026年9月28日に公開したClaudeのモデルで、公式のモデル一覧では「The best combination of speed and intelligence(速度と知能の最良の組み合わせ)」と説明され、モデルIDはclaude-sonnet-5-5です。

公式のモデルページには「Released September 28, 2026」と書かれ、状態は「Active (latest)」、提供終了の目安は「Not sooner than September 28, 2027」(2027年9月28日より前には終了しない)とされています(Claude Sonnet 5.5のモデルページ)。日付の根拠はサポート向けのリリースノートにもあり、2026年9月28日の項目で「We just launched Claude Sonnet 5.5, the second model in our Claude 5.5 family」と案内されています(Claudeリリースノート)。

位置づけは、同じ5.5ファミリーのOpus 5.5との関係で理解すると整理しやすくなります。発表ページは、Sonnet 5.5を「Opus 5.5の、より速く低コストな補完役」と呼び、複雑で判断の積み重ねが必要な仕事ではOpus 5.5が明確に強いと述べています。つまりSonnet 5.5は、最上位の代替ではなく、範囲の定まった日常的な作業や修正作業で回数をこなす場面に向けたモデルです(Anthropic公式の発表ページ)。

この記事を読むのは、Claudeを仕事で使っていて、すでにSonnet 5を使っている人、これからAPIを組み込む人、どのモデルを標準にするか決める人を想定しています。Claude全体の始め方はClaude活用の使い方のガイドにまとめてあるので、まだ全体像をつかんでいない場合は先にそちらを開いてください。

基本仕様|モデルID・1Mコンテキスト・128K出力

Sonnet 5.5のコンテキストウィンドウは1Mトークン、同期APIの最大出力は128Kトークンで、入力はテキストと画像、出力はテキストです。

公式のモデルページに載っている仕様を、確認しやすい形で表にします。数値と表記はいずれも2026年10月6日に公式ページで確認したもので、出典は同じ段落のモデルページです(Claude Sonnet 5.5のモデルページ)。

項目 公式の記載(Sonnet 5.5) 読み方のポイント
モデルID(Claude API) claude-sonnet-5-5 日付付きのスナップショット表記ではなく、このIDそのものが固定されたスナップショットです
コンテキストウィンドウ 1M tokens 公式の注記では、1Mトークンは現行トークナイザで約55万5千語、約250万文字が目安です
最大出力(同期) 128K tokens Message Batches APIでは、ベータヘッダー付きで最大300Kトークンまで出力できます
思考(thinking) Adaptive(アダプティブ) 思考の深さはeffortパラメータで調整します
effortの既定値(Claude API) high 省略するとhighで動きます
比較レイテンシ Fast 他モデルとの相対評価で、実測値ではありません
知識の信頼できる範囲 2026年6月まで 学習データの範囲も2026年6月です
最小キャッシュ可能プロンプト 512トークン Sonnet 5の1,024トークンより短くなっています

表の中で見落としやすいのは、最大出力の2段構えです。通常の同期リクエストは128Kトークンまでですが、Message Batches APIではoutput-300k-2026-03-24というベータヘッダーを付けると300Kトークンまで出力できると、モデルページに書かれています。長大な文書生成をバッチで回す場合にだけ関係する設定です。また、temperature、top_p、top_kを既定値以外にすると400エラーになることも、同じページの「Good to know」に載っています。他のモデルで調整していた人は、ここで引っかかります。

トークナイザはSonnet 5と同じです。公式の「What’s new」には、同じ文章なら同じトークン数になると書かれています(What’s new in Claude Sonnet 5.5)。Sonnet 5から切り替えるときに、トークン数の見積もりを取り直す必要はないという意味です。

発表で示された変化|速度・コスト・得意領域の公表内容

Anthropicの発表ページは、Sonnet 5.5がSonnet 5より出力生成で30%以上速く、「多くの作業で最大30%低いコスト」になると述べ、単価は据え置きのまま必要なトークン数が減ることを理由に挙げています。

発表ページが述べている変化を、そのまま並べると次の4点です。1つ目は速度で、Sonnet 5.5はSonnet 5より出力が30%以上速く、「これまでで最速のSonnetモデル」とされています。2つ目はコストで、単価はSonnet 5と同じ入力$2・出力$10・キャッシュ読み取り$0.20(いずれも100万トークンあたり)ですが、同じ仕事に必要なトークンが大幅に少なくなる傾向があるため、Anthropicの検証では1タスクあたり前世代より最大30%低くなったと書かれています。3つ目は文章で、Opus 5.5と同様に前世代より明確に書けるようになり、初期のテスターはSonnet 5より共同作業の相手として良いと評したそうです。4つ目はエージェント的な作業で、長い作業や画像理解に強いと説明されています(Anthropic公式の発表ページ)。

発表ページにはベンチマークの表も載っています。たとえばエージェント的なコーディングの評価Terminal-Bench 4.0で、Sonnet 5.5が70.6%、Sonnet 5が10.3%と記載されています。ただし、ベンチマークは評価条件、effortの設定、試行の取り方で結果が大きく変わります。この記事では数値の背景条件までは検証していないため、「公式がこう公表している」という紹介にとどめます。選定の判断は、自分たちの作業で評価を回した結果を優先してください。同じ発表ページにも、ベンチマークは能力の一面しか捉えず、複雑で判断の持続が必要な仕事ではOpus 5.5が明確に強いという趣旨の注意書きがあります。

効果の読み方で注意したいのは「最大30%低い」の範囲です。公式の文言は「up to 30% less」で、検証で観測された上限を示す表現です。すべての作業で3割下がるという意味ではありません。また、コストはトークン数と単価の掛け算で決まるので、プロンプトが長い、出力が長い、ツール呼び出しが多いといった自社の事情によって、下がり幅は変わります。次の節で単価と条件を整理します。

API料金|入力$2・出力$10とキャッシュ・バッチの条件

Sonnet 5.5のAPI料金は100万トークンあたり入力$2・出力$10(米ドル)で、5分キャッシュ書き込み$2.50、1時間キャッシュ書き込み$4、キャッシュ読み取り$0.20、Batch APIは入力・出力とも50%引きです。

公式の料金ページには、Sonnet 5.5の行として「$2 / MTok」「$10 / MTok」「$2.50 / MTok」「$4 / MTok」「$0.20 / MTok」が並び、Batch APIの表ではSonnet 5.5が入力$1・出力$5(いずれも100万トークンあたり)と記載されています(Anthropic公式の料金ページ)。MTokは100万トークンの単位です。通貨は米ドル、取得日は2026年10月6日で、日本円の表示は公式ページにありません。

課金の種類 単価(米ドル / 100万トークン) 条件・注意
通常の入力 $2 Claude API標準の入力トークン
通常の出力 $10 出力の単価で、1Mあたりの米ドル表記です
5分キャッシュ書き込み $2.50 5分間有効なキャッシュを作るとき
1時間キャッシュ書き込み $4 1時間有効なキャッシュを作るとき
キャッシュ読み取り $0.20 基本入力単価の10%にあたる額です
Batch API(入力) $1 非同期処理で、通常の入力の50%引きです
Batch API(出力) $5 非同期処理で、通常の出力の50%引きです

料金まわりで、公式ページが明記している条件も確認しておきます。1つ目はデータ所在地です。inference_geoパラメータで米国内のみの推論を指定すると、全トークン区分に1.1倍の係数がかかり、既定のグローバル処理は標準料金のままです(Anthropic公式の料金ページ)。2つ目はロングコンテキストで、Claude 4.6以降のモデルは1Mトークンの全範囲を標準価格で使えるとされ、長い入力だけ単価が上がる仕組みはありません。3つ目はトークナイザで、Claude 4.7以降のモデルは新しいトークナイザを使い、同じ文章で約30%多くのトークンが生成されるとページに書かれています。旧世代と単価だけ比べると、実際の請求額の見え方がずれる場合があります。

キャッシュとバッチは併用できます。公式の説明では、これらの割引は組み合わせられると案内されています。ただし、組み合わせたときの合計額はプランや条件で変わる可能性があるため、本番の見積もりは公式の料金ページと、実際の請求画面(Claudeコンソールの使用量)で確かめてください。Claude Codeでの使用量の見方は使用量とコストの確認方法の記事で扱っています。

料金の試算|仮の例で見る比較とキャッシュの効果

料金の試算は「入力トークン数×入力単価+出力トークン数×出力単価」の足し算で、Sonnet 5.5の単価で入力100万・出力20万トークンなら$4です。

ここからは仮の例です。公式が示した事例ではなく、公式の単価を使って私たちが計算したものです。まず、ある月に入力100万トークン、出力20万トークンを処理したとします。Sonnet 5.5の単価(入力$2・出力$10)なら、入力が$2、出力が$2で合計$4です。Batch APIで非同期に回せる作業なら、入力$1・出力$5の単価で$2になります。同じトークン量をOpus 5.5(入力$4・出力$20)で処理すると$8、Fable 5.1(入力$10・出力$50)では$20、Haiku 4.5(入力$1・出力$5)では$2です(単価は公式のモデル一覧の比較表によります)。

モデル 入力100万トークンの料金 出力20万トークンの料金 合計(仮の例)
Claude Fable 5.1 $10 $10 $20
Claude Opus 5.5 $4 $4 $8
Claude Sonnet 5.5 $2 $2 $4
Claude Haiku 4.5 $1 $1 $2

この表には限界があります。トークナイザがモデルごとに違うため、同じ文章でもトークン数は同じになりません。公式の料金ページによれば、Claude 4.7以降のトークナイザは同じ文章で約30%多くのトークンを生成します。Haiku 4.5は旧世代のトークナイザなので、表のように同じトークン数で並べると、Haiku 4.5が有利に見えすぎる可能性があります。また、実際の仕事ではモデルごとに必要な試行回数や修正の手間も異なるため、料金表の単価だけで選ぶと判断を誤りやすくなります。発表ページが「1タスクあたりのコスト」を示している意図もここにあります。

次にキャッシュの効果を仮の例で見ます。社内の応答ルールを書いた20,000トークンのシステムプロンプトを、毎回のリクエストに付けて1,000回呼び出すとします。キャッシュなしなら入力は2,000万トークンで、単価$2では$40です。5分キャッシュを使い、最初の1回だけ書き込み、残りの999回がキャッシュ読み取りになったと仮定すると、書き込みが20,000トークン×$2.50で$0.05、読み取りが約2,000万トークン×$0.20で約$4.00、合計は約$4.05です(単価は公式の料金ページ)。ただしこの試算は、リクエストがキャッシュの有効時間内に続くこと、プロンプトの先頭部分が毎回同じであることが前提で、質問部分の入力と出力の料金は含んでいません。プロンプトが512トークンに満たない場合はキャッシュの対象にもなりません。

提供面とモデルID|APIとクラウド各社での呼び方

Sonnet 5.5は、Claude API、Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundryで提供されており、BedrockだけモデルIDがanthropic.claude-sonnet-5-5と異なります。

公式のAPIリリースノートは、2026年9月28日の項目で「Claude API、Claude in Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Claude on Google Cloud、Claude in Microsoft Foundry」で提供を始めたと案内しています(Claude Developer Platformのリリースノート)。発表ページにも、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureを含むすべてのプラットフォームで利用できると書かれ、ゼロデータ保持にも対応すると案内されています(Anthropic公式の発表ページ)。

プラットフォーム モデルID メモ
Claude API claude-sonnet-5-5 公式は「all customers」(全顧客)に提供と記載
Amazon Bedrock anthropic.claude-sonnet-5-5 Bedrock側で独自にライフサイクル日程を決めます
Google Cloud claude-sonnet-5-5 グローバル・マルチリージョン・リージョナルのエンドポイントがあります
Microsoft Foundry claude-sonnet-5-5 Foundryの配備はClaude APIのモデルIDを既定にします
Claude Platform on AWS claude-sonnet-5-5 Claude APIと同じIDで、Bedrock形式ではありません

プラットフォームごとの注意点は、出典のモデル一覧と各社ページに分かれて書かれています。モデル一覧の注記では、提供終了の約束は、Anthropicが運営するプラットフォーム(Claude API、Claude Platform on AWS、Microsoft Foundry)に対するもので、BedrockとGoogle Cloudは各社が日程を決めるとされています(公式のモデル一覧)。クラウド経由で使う場合は、料金もクラウド側の価格ページで確認します。公式の料金ページは、Bedrockの料金はaws.amazon.com/bedrock/pricing、Google Cloudの料金はVertex AIの料金ページで確認するよう案内しています。

claude.aiなどのアプリでの提供状況は、プランによって異なる可能性があります。この記事ではAPIと各クラウドの提供面を確認したため、アプリ側の提供条件は書きません。発表ページには、Claudeアプリの既定はMediumのeffortだと読める記述がありますが、利用できるプランはClaudeの料金ページと、自分のアカウントのモデル選択画面で確認してください。プランの違いの整理はClaude料金プラン比較の記事にあります。

Sonnet 5から移行する前に確認する5つの変更

公式の「What’s new」は、Sonnet 5で動いているコードに影響する破壊的変更を5つ挙げており、thinkingの無効化、強制ツール使用、思考ブロックの紐づけ、computer use、advisorツールの組み合わせが対象です。

公式の「What’s new in Claude Sonnet 5.5」は、冒頭で「Five breaking changes affect code already running on Claude Sonnet 5」(Sonnet 5で動いているコードに影響する破壊的変更が5つある)と述べ、各項目を詳しく説明しています(What’s new in Claude Sonnet 5.5)。切り替え前のチェック表として、次の5行にまとめます。

番号 変更点 起きること 公式が示す対応
1 thinkingの無効化 thinking: {"type": "disabled"}を送ると400エラー between_toolsを使う(high以下のeffort限定)
2 強制ツール使用 tool_choiceのanyとtoolは400エラー autoを使い、必要ならstrict: trueやstructured outputsに移す
3 思考ブロックの紐づけ 編集された履歴に思考ブロックを再送すると400になる場合がある 会話を追記のみにする
4 computer use(Claude APIとGoogle Cloud) computer_20251124ツールは受け付けられず400エラー computer_toolset_20260801に移る
5 advisorツールの組み合わせ Opus 4.8・Opus 4.7・Sonnet 5をadvisorにすると400エラー Sonnet 5.5が受け付けるadvisorに切り替える

1つ目と2つ目は、コードに現れやすい変更です。thinkingを止めるためにdisabledを送っていた場合、Sonnet 5.5では400エラーになり、メッセージがbetween_toolsを案内します。between_toolsはlow・medium・highのeffortで受け付けられ、xhighやmaxでは400エラーになります。displayやbudget_tokensを一緒に送ってもエラーです。強制ツール使用については、tool_choiceがauto(既定)とnoneなら使え、スキーマに合うツール入力を得たいときはautoのままstrict: trueを指定するか、structured outputsへ移す方法が案内されています(What’s new in Claude Sonnet 5.5)。

3つ目は少し分かりにくい変更です。Sonnet 5.5の思考ブロックは、どのモデルが作ったかを記録します。Sonnet 5.5が読める他モデルの思考ブロックはSonnet 5、Opus 4.8、Haiku 4.5とそれ以前のモデルで、Opus 5、Opus 5.5、FableやMythosのモデルのブロックは読めません。読めないブロックを含むリクエストはエラーにならず、ブロックだけが取り除かれて処理されます。さらに、2026年8月31日 0:00 UTC以降に作られたアカウントでは、Sonnet 5.5の思考ブロックを再送するとき、それより前のシステムプロンプト、ツール、過去のメッセージが変わっていないかの確認が既定で行われ、変わっていれば400エラーになると説明されています。対策として公式が勧めるのは、会話を追記のみにして、指示やツールの変更は会話の途中のシステムメッセージで行う方法です。

4つ目と5つ目は、該当する機能を使う場合だけの確認です。computer useはClaude APIとGoogle Cloudでcomputer_toolset_20260801だけを受け付け、Amazon Bedrockでは従来のcomputer_20251124も受け付けられると書かれています。advisorツールはベータ機能で、Sonnet 5.5をexecutorにする場合のadvisorにはMythos 5.1、Fable 5.1、Mythos 5、Fable 5、Opus 5.5、Opus 5、またはSonnet 5.5自身が使えます。使っていない機能の項目は、確認だけで済みます。

表の5項目とは別に、エラーにならない挙動の変化も公式は1つ挙げています。ツール呼び出しの合間のテキストが、長い場合にthinkingブロックの進捗アップデートとして返る変化です。既定のdisplay: "omitted"ではそのブロックのテキストが空になるため、ツール呼び出しの合間に利用者へ文章を流す画面を作っていると、エラーも出さずに静かになります。between_toolsを使うか、displayの値を設定してテキストを受け取る必要があります。

thinkingとeffortの設定|between_toolsと再調整の考え方

Sonnet 5.5ではアダプティブthinkingが既定で有効で、思考の深さはeffortで調整し、思考を止めたい場合の最低設定はbetween_toolsです。

公式の説明では、アダプティブthinkingは、モデルがどれだけ考えるかを自分で決める方式で、effortがその深さを左右します。Claude APIでのeffortの既定はhighです。ここで大事なのは、effortの水準がSonnet 5と同じ意味ではなくなった点です。「What’s new」には、effortの水準は再調整されており、Sonnet 5と同じ量の思考を生むとは限らないので、設定を持ち越さずにeffortを振って評価し直すよう書かれています(What’s new in Claude Sonnet 5.5)。

公式が示す出発点は、作業の種類で分かれます。通常はhighから始めます。エージェントとして動かす、あるいは遅延に敏感な用途では、よく定義されたエージェント的なコーディングや複数段のツール使用ならmediumから始め、難しい仕事や長い仕事でhighに上げます。チャットなど遅延に敏感な作業はmediumかlowから始めます。Sonnet 5.5向けのプロンプトの書き方は、公式のPrompting Claude Sonnet 5.5に、Sonnet 5との挙動の違いとあわせて整理されています。

仮の例として、社内の問い合わせ返信を下書きするアプリを考えます。短い定型文が中心で、遅延を抑えたいなら、公式の案内に沿ってmediumかlowから始め、返信の質が足りない分類だけhighに上げる、という順序で評価できます。ツールを呼ばない単純な生成なら、between_toolsを指定しても応答はテキストだけで返り、disabledと同じ使い心地になると公式は説明しています。逆に、複雑な作業でxhighやmaxを使いたい場合は、between_toolsではなくアダプティブ(thinkingを省略するか{"type": "adaptive"})にします。

{
  "model": "claude-sonnet-5-5",
  "thinking": {"type": "between_tools"},
  "output_config": {"effort": "medium"}
}

上のリクエスト断片は、公式が説明する設定(モデルID、between_tools、high以下のeffort)を組み合わせた書き方の例です。output_config.effortのフィールド位置は、effortの公式ページで最新の仕様を確認してから使ってください。between_toolsのときは、会話の途中でeffortを別の値に変えると400エラーになるため、ターンごとにeffortを変えたい設計ならアダプティブを選びます。Claude Codeの非対話実行など、コマンドから呼ぶ使い方はヘッドレスモードの記事で扱っています。

Opus 5.5・Fable 5.1・Haiku 4.5との使い分け

公式のモデル一覧は、迷ったときはまずOpus 5.5から始め、より難しい推論や長時間のエージェント作業にはFable 5.1、速度と知能のバランスにはSonnet 5.5、最速と低単価にはHaiku 4.5という整理を示しています。

公式のモデル一覧には、「どのモデルを使うか迷う場合、ほとんどの作業ではClaude Opus 5.5から始める。要求の厳しい推論や長時間のエージェント作業、またはOpus 5.5を高いeffortで評価しても足りない場合はClaude Fable 5.1を使う」という趣旨の案内があります(公式のモデル一覧)。Sonnet 5.5は、その案内の中では「速度と知能の組み合わせ」を担う位置です。選ぶ前提を、公式の比較表から作った下の表で整理します。

項目 Fable 5.1 Opus 5.5 Sonnet 5.5 Haiku 4.5
公式の説明 要求の厳しい推論と長期のエージェント作業向け 長時間のエージェント型コーディングと知識業務向け 速度と知能の最良の組み合わせ 最先端に近い知能を備える最速モデル
比較レイテンシ Slower Moderate Fast Fastest
料金(入力 / 出力、100万トークン) $10 / $50 $4 / $20 $2 / $10 $1 / $5
コンテキスト 1M 1M 1M 200K
最大出力 128K 128K 128K 64K
thinking Adaptive(常時オン) Adaptive(常時オン) Adaptive Extended
effortの既定 high medium high 非対応
提供終了の目安 2027年9月1日以降 2027年9月22日以降 2027年9月28日以降 2026年10月15日以降

表の値はすべて公式のモデル一覧の比較表によります(確認日2026年10月6日)。差が大きい点は3つです。1つ目はコンテキストで、Haiku 4.5だけ200Kです。数百ページ規模の資料を一度に読ませる用途ではSonnet 5.5以上が前提になります。2つ目は思考の仕組みで、Sonnet 5.5はアダプティブ、Haiku 4.5は手動の予算を指定するExtendedという旧来の方式です。3つ目は提供終了の目安で、Haiku 4.5は「2026年10月15日より前には終了しない」と書かれています。これは「その日に終了する」という意味ではありませんが、長期で使うモデルとして選ぶなら、公式の廃止情報を継続して見る必要があります。

各モデルの詳しい扱いは、当サイトの別記事にまとめています。最上位のFable 5.1の料金と確認点はClaude Fable 5.1の解説記事、軽量モデルはClaude Haiku 4.5の解説記事、Opus 5.5の現行位置づけはClaude Opus 4.8とは?現行はOpus 5.5|料金・Fable 5.1との違いの記事で確認できます。なお、Sonnet 5.5の発表ページには、Claude Haiku 5.5が近く5.5ファミリーに加わる予定だという記述がありますが、2026年10月6日時点の公式モデル一覧にHaiku 5.5は載っていません。小型モデルを検討するときは、一覧の更新を見てから決めるのが安全です。

用途別の選び方の例|仮の例で判断の順番を確認

モデル選びは「評価セットを作る、安いモデルから試す、足りない所だけ上げる」の順で進めると、単価の高いモデルを不要に使うことを避けられます。

ここでも仮の例を使います。実在の会社や顧客の事例ではなく、判断の順番を示すための架空の設定です。ある小さなチームが、(a)問い合わせメールの下書き、(b)週次レポートの要約、(c)社内システムの不具合修正の補助、の3つにClaudeを使うとします。まず3つそれぞれから実際の入力を集めて評価セットにします。次に、Sonnet 5.5で、公式が示すeffortの出発点(定型の下書きはmediumかlow、不具合修正の補助はmediumからhigh)で試します。(a)と(b)で品質が足りていれば、そのまま採用します。さらに速度と費用を詰めたい(a)だけ、出力の正誤を機械的に確認できる形にして、Haiku 4.5を比較します。一方、(c)で修正の精度が足りない分類が見つかったら、その分類だけOpus 5.5に上げます。

仮の用途 最初に試すモデルとeffort 上げ下げの判断基準
(a)問い合わせメールの下書き Sonnet 5.5、mediumかlow 品質が足りれば維持し、速度重視なら検証できる出力に絞りHaiku 4.5を比較
(b)週次レポートの要約 Sonnet 5.5、medium 長い資料を1回で読む必要があるかを確認し、必要なら1Mコンテキストのモデルを維持
(c)不具合修正の補助 Sonnet 5.5、mediumからhigh 複雑で判断の持続が要る分類だけOpus 5.5へ

この順番にする理由は、料金とレイテンシが上位モデルほど大きいからです。公式の料金ページも、コスト最適化の考え方として「Haikuは単純な作業、Sonnetは多くの本番作業、Opusは最も複雑な推論に使う」という趣旨の整理を載せています(Anthropic公式の料金ページ)。ただし、これは一般的な目安で、実際の分かれ目は評価セットでしか見えません。モデル名やeffortの変更を、評価の結果なしにその場の感覚で決めないことが、この節の要点です。プロンプト側の精度を上げる方法はClaudeのプロンプトのコツの記事が参考になります。

導入前の確認手順|検証から本番切替まで

Sonnet 5からSonnet 5.5へ切り替える手順は、モデルIDの変更、エラーになる設定の洗い出し、effortの再評価、本番の段階切替の4段階で進めます。

公式の「What’s new」は、移行の最初の一歩として、モデルIDをclaude-sonnet-5からclaude-sonnet-5-5へ書き換えるよう案内し、その後に6つの確認項目を挙げています。この記事ではそれを、実際の作業順に並べ替えます(What’s new in Claude Sonnet 5.5)。

手順1は、コードの中のモデルID指定を洗い出すことです。環境変数、設定ファイル、サブエージェントの定義など、モデル名が書かれている場所を一覧にします。手順2は、エラーになる設定の確認で、前の節の5つの変更に該当するコードを検索します。"disabled"、tool_choiceのanyとtool、temperatureなどの非既定値、computer_20251124、advisorの指定が主な検索語です。公式は、Claude Codeで/claude-api migrateを実行するとClaude APIスキルが移行を支援すると案内しています(Migrating to Claude Sonnet 5.5)。

手順3は、評価セットでeffortを振り直すことです。公式がeffortの水準は再調整されていると明記しているため、Sonnet 5のeffortを引き継がず、同じ入力でlowからhighまで比べて、品質と所要時間、トークン消費を記録します。手順4は、本番の一部だけを切り替えることです。たとえば全体の一部のリクエストだけSonnet 5.5へ回し、エラー率、応答時間、1タスクあたりのトークン数を、Sonnet 5の側と見比べます。問題がなければ割合を増やします。会話の保存や再生を実装している場合は、切替直後に思考ブロックの扱い(再送時のエラーや、モデルが違うときのブロック削除)を重点的に確認してください。

Claude Codeやエージェント実装でサブエージェントのモデルを指定している場合も、同じ洗い出しが必要です。実装の設定方法はClaude Codeの使い方の入門記事から、関連する機能ページへたどれます。

よくある質問(FAQ)

Q1. Claude Sonnet 5.5はいつ公開されましたか。
公式のモデルページとリリースノートでは、2026年9月28日の公開と記載されています。Claude 5.5ファミリーでは、2026年9月22日のOpus 5.5に続く2つ目のモデルです(モデルページ、リリースノート)。
Q2. Sonnet 5.5のAPI料金はいくらですか。
Claude APIの標準料金は、100万トークンあたり入力$2・出力$10(米ドル)です。5分キャッシュ書き込みは$2.50、1時間キャッシュ書き込みは$4、キャッシュ読み取りは$0.20、Batch APIは入力$1・出力$5です。2026年10月6日に公式の料金ページで確認した値で、日本円の表示は公式ページにありません(公式の料金ページ)。
Q3. Sonnet 5.5はSonnet 5より安くなりましたか。
単価は同じです。発表ページは、同じ仕事に必要なトークンが少なくなる傾向があるため、検証では1タスクあたり最大30%低いコストだったと述べています。単価が下がったわけではなく、請求額が減るかどうかは自社の作業で測る必要があります(Anthropic公式の発表ページ)。
Q4. Sonnet 5のコードのモデルIDだけ書き換えれば動きますか。
動かない場合があります。thinkingのdisabled、tool_choiceのanyとtool、旧computer useツール、一部のadvisor指定などは400エラーになると公式に書かれています。使っていない機能であれば影響しません(What’s new in Claude Sonnet 5.5)。
Q5. コンテキストの長さはどのくらいですか。
コンテキストウィンドウは1Mトークン、同期の最大出力は128Kトークンです。公式の注記では、1Mトークンは現行トークナイザで約55万5千語が目安とされています。実際に入る分量は、言語や内容で変わります(モデルページ)。
Q6. Sonnet 5.5はどのクラウドで使えますか。
公式のリリースノートでは、Claude API、Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundryで提供が始まったと案内されています。BedrockのモデルIDだけanthropic.claude-sonnet-5-5と書きます(リリースノート)。
Q7. Opus 5.5とSonnet 5.5はどちらを選べばよいですか。
公式のモデル一覧は、迷う場合はまずOpus 5.5から始める案内を出しています。一方、発表ページはSonnet 5.5を、範囲の定まった日常的な作業や修正に向く、より速く低コストな選択肢と説明しています。評価セットで品質が足りるなら、Sonnet 5.5を標準にする判断も成り立ちます(モデル一覧)。

まとめ|Sonnet 5.5は「単価据え置きの速い標準モデル」として評価から入る

Claude Sonnet 5.5は、2026年9月28日に公開された、速度と知能の組み合わせを重視するモデルです。モデルIDはclaude-sonnet-5-5、コンテキストは1Mトークン、料金は100万トークンあたり入力$2・出力$10で、Sonnet 5と同じです。発表では、Sonnet 5より30%以上速く、1タスクあたりのコストが最大30%低いとされています。複雑で判断の持続が必要な仕事はOpus 5.5が明確に強いと、同じ発表で述べられている点も合わせて覚えておく必要があります。

実務では、モデルIDの書き換えより前に、5つの変更とエラーになる設定の洗い出し、effortの振り直し評価、一部の本番トラフィックでの段階切替という順番を踏むのが現実的です。提供面はClaude APIと主要クラウドに広がっており、アプリ側のプラン別の提供状況は料金ページと自分のアカウントで確認します。公式ページは更新されるため、最新の表記は公式のモデルページで見直してください。

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この記事を書いた人

株式会社S.Line 代表取締役。偏差値39から起業し、AIとSNSの活用で「普通の人」が成果を出す方法を発信。

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